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こどもの姿勢教育


 最近、こどもの姿勢についてのご相談が多くあります。
単純なモノなら、わざわざ整体や整形などに行かなくてもいいので、気をつけるポイントを記しておこうと思います。


まず、姿勢の認識について180度変えてください。

「背筋を伸ばす」
「胸を張る」
「腰を立てる」
「巻き肩はダメ」
「猫背はダメ」
「猫背は内臓を圧迫する」

これらは、イメージだけの話しで何も身体のことを考えいない…という事を知っておいてください。

こんな姿勢は「不自然」そのものです。

こどもを北朝鮮の軍隊にしたくなければ、姿勢を強要するのはやめてください。
幼稚園や学校でそうさせられてるのであれば、できるだけ、その姿勢にさせないように気を配り、家では自然体のままの姿勢で居させてあげてください。


何にも汚されていない、こどもの自然な姿勢こそ、見習うべき美しい姿勢です。
大人が間違えているのです。



 人間の背骨は元々S字カーブを描いている状態が普通の状態で、最も機能的な姿勢です。
背筋を伸ばしてピンッとするのは、一瞬の動作においてそうなるもので、維持すべき状態ではない。

また、アジア人はどちらかと言うと、そのS字カーブが欧米人に比べて強いカーブを描いています。


何故、S字カーブなのか?
何故、人種によってカーブの深さが違うのか?


順に解説していきましょう。


《内臓は背骨のS字カーブがある事が前提として位置している》



 画像の「左」の背骨の形が、左を向いて立った時の普通の背骨の形です。

このカーブがなければいけません。

右端の背骨の形が、背筋を伸ばして腰を立てた形です。
遠くのモノや、高い位置にあるモノに手を伸ばして掴もうとした時には、こんな感じに近い背骨の形になりますが、それは維持すべき姿勢ではありません。


元々のS字カーブがある事で伸びれます。
でも、最初から伸ばしていたら、もう伸びれません。
必要な運動連鎖がなくなり、運動能力が低下する事になります。



また、このS字カーブを無理に失わせる事で、ご相談に多い、「側湾症」になります。



S字カーブがある事が前提として、各内臓が収まるスペースが設計されているわけです。
無理に背筋を伸ばした状態を維持し続ければ、内臓のスペースが失われます。


背骨ごと内臓が横に移動してしまう。


 お子さんの側湾症や姿勢がおかしい事でお悩みの方は、まずこどもの姿勢強要をやめてください。


姿勢だけでなく、内臓の機能も呼吸も自律神経も運動能力も発達も影響してきますよ。

座った時は背中が丸くなるのが自然。
普通なんです。
それで大丈夫。
座った時に背筋を伸ばした姿勢を維持することが不自然でおかしいんです。





《受け継がれる日本人の生活環境と背骨のS字カーブ》


 日本人は農耕、漁業に適した姿勢。
背筋を伸ばしていたら腰を曲げて農作業するのに負担になります。
海に潜って魚介類を獲るのにも、伸び切った背骨では泳げない。
成績の良い水泳選手は背骨のカーブが強いです。
イルカやシャチのような形ですね。


そして、日本の国技と言えば相撲ですが
相撲は腰を落として重心を深く持ちます。
空手や柔道なども、左手が出れば、左足が前に出ます。
右足が前に出れば、右手を前に出す。
同側の動き。

この同側の動きは、腰を落とし、背中を丸めた状態で強力になります。




対して、欧米人が得意なスポーツに見られる対側の動き。

ボクシングがイメージしやすいでしょう。
右パンチは、左足が前に
左のパンチは、右足が前に出ます。
対側の動き。

骨盤が立ち背筋が伸びて、より射程距離、リーチを長くに取れる。

どちらも自然なS字カーブがあることが前提です。
ですが、S字のカーブが深いか浅いかは、より優位で機能的な動きになるよう作られます。



生活環境や関わるスポーツなどによって、背骨のS字カーブがそれに合わせ機能的に形作られ、能力を発揮します。



不自然に背筋を伸ばす事は、背骨のS字カーブを失わせる自然の摂理に反する姿勢です。

その子の能力を伸ばしてあげたいなら、不自然な姿勢教育、強要を今すぐやめるべき。
我が子に健康的に育ってほしいなら、今すぐ姿勢強要をやめるべきです。


↑同側の動き↑

どちらも背骨のS字カーブ
があってはじめて機能します。

↓対側の動き↓