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出産呼吸法のイメージ



 久しぶりに妊産婦さん向けの記事を。
こどもの頭の絶壁の相談が多いことから、ふと気になることがあり、記事にしようと思いました。



テーマは出産にかんして。

安産にする、分娩をスムーズにするには「腹筋」がないとダメ、みたいな話しをちらほらと聞き

それは違うよ。

という話しをしてみます。



「ヒッヒッフー」
という独特の呼吸法を使うラマーズ法が一般的なのかな?
と思います。


1951年、フランスのラマーズ博士が提唱し始めたとされる、心理的無痛分娩法。


そう。
腹筋、どうこうではなく、心理的
というところに注目したい。




そして、フランス人の呼吸に対する音のイメージと
日本人の呼吸に対するイメージの違いも考えてほしい。



ヒッヒッフーと聞くと
日本人の感覚としては、口でヒッ、ヒッ、と吐くイメージがありませんか?

でも、この「ヒッ」の時は、鼻で短く息を吸う時を指します。


そして、「フー」は当然、吐く息をイメージしますね。


日本人の感覚的には、どこで息を吸うの!?
ってなりそうですね(笑)




短く、2回鼻息を吸い
ゆっくり長く、フーーーと吐く。


これにより、副交感神経が誘導され、緊張が和らぎリラックス。
なので、心理的無痛分娩法なのです。


腹筋は関係ありませんでしたね。

では、あかちゃんはどうやって出て来るのか?



それは、あかちゃん自らの捻転する事で分娩されます。
お母さんは、それを後押し、誘導するだけで良いんだろうと思います。



お母さんが、無理矢理に押し出そうとしなくてもいいと、ぼくは考えています。




さて。
あかちゃんの後押しについて。


「いきみなさい!」
「頑張れ!」


と言うと、力や筋肉をイメージします。
ここでイメージされるのが腹筋ですね。


ですが、腹筋がある、ない(無い事ない)関係なく出産はできます。
腹筋が弱いと腰を抜かしてしまうので、あるに越したことはないけど。


腹筋は腰椎(腰骨)の前湾の維持、安定性、および骨盤、股関節の安定性に作用します。
内容物を押し出す作用ではありません。



「腹に力を込めろ」
と聴くと現代人は「腹筋」を連想します。

でも、ここで言う「腹」は
「ハラをくくれ!」の、「ハラ」と同じく

「丹田」を、指していると考えられます。



「丹田」とは、
ヘソの下辺りにある、力の集中する部分…という概念です。



「力」の集中は、呼吸による「腹圧」の集中の事です。



「腹圧」は、息を吸った時に横隔膜がグンと下がって腹がパンッと張った状態で作られます。


現代人は腹圧がヘコヘコ。


背筋ピン!で胸を張っていて
それが「美しい」と誤認しているからですが。



それに加えて
ヒッヒッフーです。

「ヒッヒッ…」の時の呼吸を、吐く呼吸ではなく、吸う呼吸をイメージすると
胸で苦しそうにヒーヒー呼吸しているイメージになってしまう。



日本人的にするなら

スーンッ、スーンッ、フゥーーー

でしょうね。


スーンッの時に鼻から吸って、腹を膨らます。
横隔膜が下がって、腹圧がかかり、あかちゃんの運動の後押しをする。


そして、フゥーーーーと、ゆっくりと吐いて、腹がしぼんで腰椎、骨盤がゆるみ、出口が開かれる。



というイメージでしょうか。





これを読んで、違和感を感じていたり
常識と違い過ぎて納得いかない。
と感じる方も居ると思う。


でも。実際の出産時に難航していたら、ふと思い出して試してみてはどうだろう。